特殊詐欺 ~ 巧妙な手口とバイアス ~

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目標 ~ 目の前の人参か、遠くにある多くの人参か ~ ~

「詐欺」は、人を欺いて金品を奪い、損害を与える犯罪行為ですが、近年では、この手口が巧妙化し、不特定多数からだまし取る「特殊詐欺」が増加しています。

主な「特殊詐欺」には、「オレオレ詐欺」をはじめ、「還付金詐欺」「送り付け詐欺」「投資詐欺」「ロマンス詐欺」「フィッシング詐欺」「SNS詐欺」と様々にあります。

詐欺師は、メールアドレスやウェブサイトなどを偽装し、AIを使って巧妙に人の心を操つろうとしますが、私たちの側にも手口に「引っ掛かりやすい」バイアスを持っていることがあります。

今回は、主な「詐欺師の手口」と、代表的な「詐欺にあいやすいバイアス」を紹介します。


1. 親近感と信頼感を醸成する

ミラーリング(相手の言葉や態度などを真似ることで、無意識に親近感を抱かせる)や共通点をあげて親近感をもたせ、褒めて気分良くさせながら信頼感を得る
<ハロー効果(Halo Effect)>
良い特徴に引きずられて、他も実際以上に良く評価してしまい、詐欺師の立派な肩書きや、親切な態度に引きずられて深く疑わずに信用してしまう

2. 緊急性と希少性を演出する
時間制限(「今だけ」「本日限り」)で決断を迫り、限定性(「残りわずか」「特別価格」)と希少性を強調して煽る
<希少性の原理(Scarcity Principle)>
手に入りにくいものほど価値が高いと感じて逃したくなくなり、「限定〇名」といった言葉で焦燥感を煽られる

3. 権威性と専門性を誇示する

警察官や弁護士などの権威ある職業で信用させ、複雑な専門用語で混乱させながら、実績や成功例を誇張して期待感を持たせる
<権威への服従バイアス(Authority Bias)>
権威ある人物・組織からの指示や情報を吟味せずに従ってしまい、偽装した詐欺師の言葉を鵜呑みにして従ってしまう

<ハロー効果(Halo Effect)> 上記1

4. 感情を操作する
恐怖心を喚起(「個人情報が漏洩している」)、高揚感の演出(「必ず儲かる」)、罪悪感の利用(「あなたのためを思って言っている」)、同情心の利用(不幸な身の上話で同情を誘う)で誘い込む
<感情ヒューリスティック(Affect Heuristic)>
論理よりも、感情で判断してしまい、詐欺師の甘い言葉や親切な態度に心が動かされたり、逆に不安や恐怖を煽られたりすることで、冷静な思考ができなくなる
<損失回避バイアス(Loss Aversion Bias)>
利益を得るよりも、損失を避けることを選んでしまい、「このままでは損をする」と不安を煽られ、さらなる損失を招く

5. 認知的不協和の利用
わざと矛盾する情報を提供して思考を混乱させ、判断力を低下させる
<正常性バイアス(Normalcy Bias)>
予期しない異常事態を過小評価したり、正常範囲内だと認識しようと「自分は騙されない」と思い込み、警戒を怠る
<確証バイアス(Confirmation Bias)>
自分の信念や仮説を支持する情報を集めて都合の良いように解釈し、一度詐欺師の話を信じ始めると裏付けるような情報ばかりに目が向いて、矛盾点や不審点を見過ごしてしまう

6. 集団心理の利用
口コミや評判を捏造し、「多くの人が儲かっている」「みんなやっている」と安心感を与えて行動を促す
<社会的証明(Social Proof)>
自信がないときに、多くの人が支持する選択肢を正しいと判断し、「みんな儲かっている」「多くの人が利用している」といった嘘の情報に安心してしまう

以上、詐欺のテクニックを知っておくことで気づくことができ、バイアスを理解しておくことで、冷静に対応するための備えになります。

お問い合わせは、ホームページ「お問い合わせ」から、お気軽にお声がけください。

重要なのは、誰もが詐欺に遭う可能性があるという認識と警戒心を持ち、少しでも不審に感じたら、すぐに誰かに相談することですね。

[ Room Turn Blue ~ ルームターンブルー ~ ]
臨床心理士 / 公認心理師 / キャリアコンサルタント / CEAP / EAPコンサルタント / CBT Therapist®︎ / CBT Professional(EAP) / CBT Extra Professional ®︎

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