交響曲第9番 ~ ベートーヴェンが遺した熱きメッセージ ~

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交響曲第9番 ~ ベートーヴェンが遺した熱きメッセージ ~

2025年も残すところあと数日。

クリスマスが過ぎ、街の灯りが穏やかな新年の準備へと切り替わるこの時期、日本中で高らかに鳴り響くメロディがあります。

それは「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven)」の「交響曲第9番」です。

なぜ、この曲はこれほどまでに私たちの心を震わせ、日本の年末に欠かせないものとなったのでしょうか。

そこには、音を失った天才が命を懸けて書き記した「人類へのラブレター」とも言える物語が隠されています。

実は、通称「第九」は、当時、楽器だけで奏でるのが当たり前だった交響曲(シンフォニー)の中に、突如として「合唱(人間の声)」を響かせたことで音楽界に衝撃を与えました。

彼が、その決して許されないタブーを破ったのは、この曲に込めた「全人類が手を取り合い、兄弟になる」という壮大な理想を伝えるには、抽象的な楽器の音色だけでは不十分だと感じたからです。

「あなたの柔らかな翼がとどまる場所で、すべての人々は兄弟になる」

詩人「シラー」の言葉に想いを託し、王様も名もなき人々も、苦難を乗り越えた先では皆が手を取り合えるのだと、彼は交響曲の中に熱いメッセージを「声」として解き放ったのです。

しかし、この壮大な調べが初めて世に放たれた1824年の初演時、皮肉にも「ベートーヴェン」の耳はすでに、全く無音の世界にありました。

演奏が終わり、会場は嵐のような拍手と喝采に包まれましたが、観客に背を向けたままの「ベートーヴェン」は、その熱狂に全く気づきませんでした。

見かねたアルト歌手が、そっと彼の袖を引いて観客席の方を向かせたとき、彼は、自分の魂の叫びが人々に届いたことを、「音」は聞こえずとも「光景」として初めて知ったのでした。

このドイツの傑作が、日本の年末に定着した背景には、日本ならではの「絆」の歴史があります。

1918年、徳島の「坂東俘虜収容所」において、ドイツ兵捕虜たちが地元の人々との温かい交流に感謝し、合唱団を結成して演奏したのが始まりで、敵味方を超えて「人類皆兄弟」を歌い上げたことが、日本における「第九」の原点です。

「第九という凄い曲がある」という噂が広まり、少しずつ日本のオーケストラの間で「第九」の演奏技術が磨かれていきました。

戦後の苦しい時代、楽団員たちは「第九をやれば年を越せる」と「お餅代」を稼ぐための切実な年末の演奏会として引き継がれ、いつしか「第九」は日本の年末の風景へと溶け込んでいきました。

一年の終わりは、誰もが「よく頑張った」と自分を労い、明日への希望を見出したいと願う時間です。

「ベートーヴェン」は、人生の苦難や絶望を否定せずにすべてを飲み込み、それらを突き抜けた先にこそ、真の「歓喜」があると信じていました。

彼が伝えたかったのは、「いつか誰かが幸せにしてくれる」という願いではなく、「自らの足で立ち、隣にいる人の手を取り、共に喜びを見つけよう」という、力強い人間の意志だったのです。

皆さんの2025年は、どのような一年でしたか? そして来年は、どんな歓喜が待っているでしょうか。

ぜひ、ホームページ「お問い合わせ」からお気軽にお声がけください。

どうぞ、心穏やかに、良いお年をお迎えください。

[ Room Turn Blue ~ ルームターンブルー ~ ]
臨床心理士 / 公認心理師 / キャリアコンサルタント / CEAP / EAPコンサルタント / CBT Therapist®︎ / CBT Therapist®︎ for Biz / CBT Extra Professional ®︎

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