エコ不安 ~ 価値観や行動への影響 ~

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エコ不安 ~ 価値観や行動への影響 ~

連日、ニュースで報じられる気候変動や自然災害、そして地球環境の破壊は、多くの人々に恐怖やストレスを与えています。

「エコ不安(Eco-anxiety)」は、環境哲学者グレン・アルブレヒトが「環境破滅に対する慢性的な恐怖」と定義し、アメリカ心理学会(APA)も、正式な医学用語ではないものの、「気候変動の、取り返しのつかないように見える影響を観察することからくる、環境の大惨事に対する慢性的な恐怖、そして自分自身や次世代の未来に対する懸念」と定義しています。

つまり、気候変動や環境破壊といった地球規模の危機に対して、無力感や絶望感、不安などを感じる心理的なストレス状態を「エコ不安(気候不安症)」といいます。

「エコ不安」は、2000年代後半から北米を中心に使われ始め、日本では、近年になってメディアなどで取り上げられる機会が増えて、知られるようになりました。

地球の未来を考え、危機感を持つことは大切である一方で、「エコ不安」は過度にメンタルヘルスに影響し、ウェルビーイングや健康を脅かし、さらには、精神疾患を発症したり、既存の精神疾患の症状を悪化させる可能性が指摘されています。

特に、若い世代で「エコ不安」を強く感じる人が世界的に増えており、不確かな未来に対する不安を募らせていると言われています。

さらに、「エコ不安」は単なる不安に留まらず、若者の行動や将来の選択にも大きな影響を及ぼしています。

例えば、環境問題の解決に貢献できる仕事を選んだり、サステナブルな働き方やワークライフバランスを重視して、よりシンプルで持続可能な生活を重要視する傾向がみられます。

その一方で、国際的な調査では、日本の若者が他国と比較して気候変動への不安を「極度に心配している」と回答する割合は低いという報告もあります。

考えられる背景としては、より身近で直接的な経済的困難や人間関係の課題の方が、より切迫した問題として認識されている可能性があり、また、海外に比べて日本では危機感が十分に伝えられていない可能性も指摘されています。

しかし、日本の若者も気候変動への関心や不安を着実に高めており、今後「エコ不安」が働き方の価値観に与える影響はさらに大きくなっていくと考えられます。

それでは、「エコ不安」を軽減するにはどうすればよいのでしょうか。

「エコ不安」の大きな原因の一つは「無力感」ですので、この感情を和らげるためには「自分にもできることがある」と実感することが非常に有効です。

例えば、日常生活において、プラスチック製品を削減し、食品ロスを減らす、節電や節水を意識したり、環境問題に取り組む団体への寄付やボランティアに参加する、さらに、ポジティブなニュースを取り入れたり、同じような関心を持つ人々と繋がることで心の負担が軽くなります。

これらの行動は、単なる環境保護活動ではなく、「自分も行動を起こしている」と実感することが「エコ不安」という心理的なストレスを軽減する手段となります。

小さな一歩から少しずつ「自分は行動している」という感覚を積み重ねていくことが、「エコ不安」を和らげるための鍵となるでしょう。

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何か一つだけを行うよりも、自分に合ったものを組み合わせて実践すると効果的です。

[ Room Turn Blue ~ ルームターンブルー ~ ]
臨床心理士 / 公認心理師 / キャリアコンサルタント / CEAP / EAPコンサルタント / CBT Therapist®︎ / CBT Therapist®︎ for Biz / CBT Extra Professional ®︎

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